アースレジェへの帰還(四)
おぼろん

「死んではなりません、エランドル様!」オーマルが叫ぶ。
「あなたは、我らドラグネイアスの救いでもあらせられます!」
「ふふ。我は託す、そこなる道化師へと。……虹の魔法石を、
 よく使え!」そう、エランドルは言って、床に崩れ落ちた。

「おい、盗賊! 奴の言ったことの意味は分かったか?」
「分かりません。しかし、エランドル様が瀕死の重傷だということは……」
「敵の心配などするな! 今は、エイミノアもいないのだぞ?」
「それは分かっております。しかし、わたし共がどうなるのか……」

床が崩れ落ち、天井からは石が降ってきた。思わず、
アイソニアの騎士もヨランも、身をかがめてそれを避ける。
「お前たちよ、お前たちは過去へと旅立つのだ……」

エランドルが言った。その体を、オーマルが支えている。
「過去へだと?」と、アイソニアの騎士が問う。「それはどういうことだ?」
「お前たちは、エインスベルを救える! 行け!」


自由詩 アースレジェへの帰還(四) Copyright おぼろん 2022-10-29 16:07:37
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