狂気なる女
ルルカ
詩は
美しさの中に
狂気を孕んでいる
まるで
思春期の頃の様に
それは
繰り返される
遊戯の様にも
思われる
私は
詩を愛しているが
私にとって詩は
永遠に妾として
存在する
私が決めたのではない
詩が望んだのだ
本妻になるのは
嫌だと
私の腕の中で
駄々をこねた
私は意味がわからなかった
私は男なので
この場合
詩は女であるからして
女が本妻になる事を
嫌がり
妾のままでいたいなど
そんな女が
いる事 自体
ファンタジーの
様にも思えた
しかし
詩が自ら望んでいるのだから
それを叶えてやるのが
私の責務と考えた
だが
そうなると
本妻にしたい女が
詩の他にいなかったので
仕方なく
私は一生
本妻を持たなかった
妾として
詩をこれでもかと
愛し尽くした
私も詩も
それで満足だった
私達は
幸せを噛み締めていた
本妻になりたいと
言ってくる女もあったが
私は
そのいっさいを
拒否した
詩を本気で
愛していたからだった