わたしは ぽけっとに てを いれている
ダンテ カフカ ランボー



きょうの あさだ 

わたしは よく ねむった ようだ

ふだんより すこし ながく ねむれたようだ


わたしは そのことに みょうに おびえていた

なぜか わからない


わたしは ちかごろ ねむりから さめたときに

みょうに おびえて いるようだ


わたしは いまが きょうの あさかどうか

たしかめたかった


だから

さんぽに でた


あめが ふっていた

「せかい」は しずかだった


からす が ないていた

わたしは 「せかい」のなかで ひとりぼっち だった

だけど こころは あんしんし おだやかだった


しぜんは いつもより やさしかった


わたしは 「せかい」のなかに いて

「せかい」から へだてられていた

ふしぎな きもちだった

「せかい」を ふしぎに みていた


いつもの ひとが かさを さして あるいている

かなしそうに みえる

あ あのひともそうだ

いつもの ひとだ

やっぱり なんか かなしそうにみえる


あめが ふっている

あめが ふっている

あめが つよく ふっている


わたしは かさをさして こうえんの きぎのなかを 

しずかに あるいている


わたしは ぽけっとに てを いれている


あめ が ふってる

つよく ふってる


わたしは ぽけっとに てを いれている


わたしは 

なにか かなしみににた 

かんじょうの なかで 


「ああ!」

「なんて!」 と おもう


わたしは うつむいている


「せかい」は きょうも こたえない


自由詩 わたしは ぽけっとに てを いれている Copyright ダンテ カフカ ランボー 2022-10-24 23:57:17
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