アイソニアの騎士とエランドル(六)
朧月夜
「オーマル。お前の役目は終わった。しばらく休むが良い」
「はい、エランドル様」そして、オーマルは別室へと退いていく。
彼──エランドルの周りには、様々な機械が置かれていた。もちろん、
機械などというものを、ヨランもアイソニアの騎士も見たことはない。
「お前がエランドル・エゴリス! なぜ、エイミノアを殺した?」
アイソニアの騎士は、怒気を含む口調で彼に尋ねた。
「殺した、というのは正確ではない。彼は、この世界の一部となったのだ」
「はっ? 死して魔界に召されるか? それは忌むべき死だ!」
「やはり生と死ということについて、お前たちは分かっていないのだな。
たしかに、お前たちはまだ、完全な意識共有体ではない。
いつかはそうなる定めを負っているのだが……」
「エイミノアは……お前の作りたい理想世界が、奴を殺したとでも言うのか?」
「早まるな、騎士よ。我がなぜ、オスファハンを退け、汝らと会おうとしたのか、
その意味をじっくり考えるが良い。時間は十分にあるのだからな……」
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クールラントの詩