アイソニアの騎士とエランドル(五)
朧月夜

ヨランが驚いたことに、アイソニアの騎士は、
さしてためらうこともなく、その建物の中へと入っていった。
むしろヨランのほうが、(これは罠なのではないか?)と、
思い迷っていた。──ここは慎重を期するべきではないのかと。

しかし、今のアイソニアの騎士に迷いはない。
(龍族は、エイミノア様を殺した。しかし、騎士様には迷いはないようだ。
 さすがはアースランテの千人隊長といったところか。
 数多くの兵たちを率いてきたという、自信と責任を持っているのだ……)

ヨランは、あらためてアイソニアの騎士のたたずまいに驚きをなした。
(この旅、わたしが率いてきたと思っていたが、
 真のリーダーはやはりアイソニアの騎士だったのだな)心のなかで呟く。
 
「待っていたぞ……」一行の前に、一人の男が現れた。エランドルである。
オーマル・リケイディアは、彼の前に進み出て跪く。
「エランドル様。この者たちが、新たにハーレスケイドを訪れた者たちです」


自由詩 アイソニアの騎士とエランドル(五) Copyright 朧月夜 2022-10-23 17:23:30
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クールラントの詩