アイソニアの騎士とエランドル(二)
朧月夜
「何をしているのです? わたしは、あなた方をエランドル様へと、
引き合わせます……」オーマルは、一層低い声で、彼らへと通知した。
「お前の目論見は……分かるつもりだ。しかし……」
アイソニアの騎士が、低い声で言葉を絞り出す。
「しかし、お前たちは、エイミノアを殺した。
それを、何をもって見過ごせと言うのか?」
「見過ごせ、とは言いません。かの光景は、あなた方にとっては
重いものであったことでしょう。ですが、ここにはエランドル様の意志があります」
「その意志とは何か?」アイソニアの騎士は、腹の底から言葉を滲ませる。
「意志とはすなわち……この世界の行く末を担うという決断です」
アイソニアの騎士の怒りの表情に対しても、オーマルの動揺は引き出されないもののようであった。
アイソニアの騎士は、再び黙る。この対談が、世界の行く末を左右するものであったとすれば、
そこからは逃れ得まい、いや逃げてはならないと、アイソニアの騎士は察していたのである。
そして、一つの決断をもたらす言葉が、そこへともたらされた。
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クールラントの詩