万障余暇
あらい
か細いベンチの上よ。ワタシは、朱に錆びて卑屈なほど風を透す。
ただそのうえで踊る枯れ草の華麗なころを想う。
永遠の晩秋を胸に点し尽くす。それだけの季節がまた現れはじめていた。
すきではない 待ち遠しい訳もない 寒く厳しい冬が
もうすぐそこまで来ているのに、
嬉しい訳も楽しいこともない。
だからこの心に準じて自然と戯れる。散り急ぐばかりに
躍り狂わされる、ただひとときの綻びに持て余した、口笛など
呑気にもかましているかのように、この耳に届くものを
胸に灯しながら。はらはらりと音している。
万障余暇
ナナイロのシオの 傘をさす
またツユの フユに対う
積み木の橋と端を抑えて 置いて
ぐらぐらと 夕陽はその新涼にしだかれる
夜長の中心に つなぎ、ぱちぱちと馳せる
ニシキギの おざなりな計画でした
手拍子を揃え 閃光は焦がれ
産み落とされた 熱と拍動を標す。
ひだまりだったから
自然と、気配とした
ささやかれて
かげがおちるように
いたずらなものでした
このままではいけない
糸は印されて射たのに
解けたようだった
たまゆら、だったから