みらくる⭐︎天使ちゃん 2分30秒バージョン
モマリサ公

焼け焦げた女性器から
こぼれる
白とか赤を
胸いっぱいに
吸い込み、

わたしの人を愛する心とか

浅はかな打算とか、

全部見透かされた気がして


とてもとても嬉しかった。


打ちつづける斧の
肉を砕く音。

マイメロの耳を「はみはみ」
泣きじゃくるわたしの背中を
なでさすりながら教えてくれた。

「あなたはゴムが破けて

そこから

漏れ出て

できたのよ」

わたしはフルボっコの用意をして
爆笑しながらコンビニへ
おにぎりを買いにいく

24時間光りかがやく約束の地で

マイメロちゃんのお腹を
はさみで開いて

そこから
溢れ出すいっぱいの胎児に
顔をうずめて

愛してるよ愛してるよって
叫んでも


結局ビリヤードにはいかなかった。
じゃんけんはチョキではじまる。

愛してるよという
声だけが聞こえる。

紅茶みてたら2時間が経過した
「ああ、そっか」
右手のチェーンソー
10センチあげて
重いからまた下げた少女が

「ストイック」にやろうとして

ふりだしにもどる。
大丈夫だよ。

全部誰かのせいだね

ズタズタのマイメロちゃんを
抱きしめて抱きしめて

手のひらですくう水のように

光だけが残る両手

マイメロにレイプされた人の
気持ちが分かる!?

とっても幸せだったんだよ!?

あなたが残骸って言ったそれは

わたしにとっての!
わたしだけにとっての!


「わたしたちにとってのフラットな戦場」
を横切る。

しみだらけの高架下に
響くサキソフォンの音が
突然無音

静寂が血管を通り

毛穴から咲く

どうしてもと
欲しがったのに

なんなの?
永遠がマイメロで

わたしたちは
生き続けるって意味フメーなんだけど?

マヒしてきてんじゃねーよ!

爆音でミラーボールがまわりだす。

たしかなひかりにつつまれていく

ただのゴミと化したマイメロが

見えない音でありがとうと
直接脳のしわにしみこんでくる。


「マイメロはわたしだけを許した。」


自由詩 みらくる⭐︎天使ちゃん 2分30秒バージョン Copyright モマリサ公 2022-10-21 23:43:16
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