痕跡
ひだかたけし

独りの魂の
高い壁が
立ち上がる

青を含み
空は曇天
渦を巻き
唸っている、
叫んでいる、

糸杉は蒼白く戦慄き

野性の風が吹き荒れ
灼熱の太陽、消える星





意識澄み、
響きが語る
意味に身を任せ
沈み込むように
浮き上がるように
眼を見開き耳を傾け
思考スル、湧出する直観に






独りの魂の
高い壁が
響きわたる

乱れ飛ぶサクソフォーン
持続する旋律、
打刻されるビート

怒を含み
声は裂け
渦を巻き
唸っている、
叫んでいる、

意志のコード打ち鳴らし

野性の風が吹き荒れ
灼熱の太陽、消える星






販売され購入され
かろうじて覚醒し
残存する生の痕跡 

裂開する感覚に
根源は流出し続ける

独りが、独りに、開く、
不可視の、美の残照













自由詩 痕跡 Copyright ひだかたけし 2022-10-21 19:52:09
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