あたまばっかりいっぱい
竜門勇気


野良猫に
僕を食べてもらわなきゃいけない

人ばかりがいっぱいの場所を
壊してもらわなきゃいけない

シャベルで作った穴を
埋めなきゃいけない

あたまばかりいっぱい
こころだけいっぱい


爪を伸ばしている間
しゃべりつづけてなきゃいけない

いごこちのいい場所を
さがしつづけなきゃいけない

食べたものを
食べなかったものと分けなきゃいけない

あたまばっかりいっぱい
ことばだけいっぱい

ぼくの喰いのこされた部分
きみのよだれの落ちた場所
あたまばっかりいっぱい
こころだけいっぱい

ぼくの終わりぞこねた場所
きみの喰いたかった場所
あたまばっかり残ってる
こころだけ腐ってく



自由詩 あたまばっかりいっぱい Copyright 竜門勇気 2022-10-19 13:01:38
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