あなたと隣り合いお茶を飲み
ひだかたけし
雪の頂きへと進みます
あなたと隣り合いお茶を飲み
雪壁は凍りつき輝き神が宿るよう
あなたはいつもチーズケーキと紅茶
頂きは遠い途方もなく遠い
あなたは若く微笑みは優しい
ピッケルとアイゼンが雪面に食い込み
あなたとの時間は仄かにホット
斜面は角度を増し想像を絶し高く
あなたは話に聞き入りひたすら受け身
日々の鍛練が此処では全く通用しない
あなたと居ると寛ぎ次第に気分が沈む
もし、あなたが、この詩を受け容れてくれるなら
もし、わたしが、その人格を受け容れられるなら
思い出す、
妻と子供たちと
囲んだ夕食のひととき、
ああ おれは幸せだと思った
その瞬間を、その光景を
*
雪の頂きへと進みます
あなたと隣り合いお茶を飲み
降り注ぐ瞬間は突然に
患いの日常は無関心に