茫洋と朝
ひだかたけし
茫洋と
宙に浮く
私の意識が
けだるい身体を
支配する朝、
路面は雨に濡れ
ひかり、
コンビニの前に並んだ
自転車たちの
在る輪郭が
黒く艶めくアスファルトに
浮き立つよう
その微細な旋律を
わたしの心に
響かせる
風景のなかにあって、光景が訪れ
時間のなかにあって、瞬間が輪切りにされ
宇宙のなかにあって、一滴が流出し
祝福の糧、
陶酔の在る、
この朝に
病魔は未だ
しばらくは訪れない
自由詩
茫洋と朝
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ひだかたけし
2022-10-15 11:20:30
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