寝相の君といつも君へ
かんな


三人分のメジナを
海から釣り上げる君の。
笑顔を思い出す夜に
家族という文字が
暗やみから落ちてきて、もう
もう泣いてもいいの。と耳打ちしている
染みわたっていくあたたかさの
ふかふかのお布団みたいに
いつの間にか足元で横になる寝相の君へ
かけて、かけては抱きしめる
抱きしめられたのは私で
ひとり夜の海に放り投げた愛を
引き寄せてくれたのは君と。
いつも君なの


自由詩 寝相の君といつも君へ Copyright かんな 2022-10-14 17:35:32
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