この朝の光景
ひだかたけし

路面が濡れている
静謐な朝

一晩降りしきった
雨の響きに

喚び起こされた
深い歓びと哀しみの輪郭が

街の八百屋の主人を透過し
街のコンビニの店員を抉り

そっと そっと
明るみ始めた天蓋に

その透明を、昇華させていく




自由詩 この朝の光景 Copyright ひだかたけし 2022-10-14 11:17:54
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