火葬場
草野春心



  火葬場で
  親しかったものの焼失を
  ただ待つことの夏に似ている
  そのイーゼルは ほどなく
  別の出来事に似ていく

  喚ばれて
  追憶をなめらかな塊のように撫でた
  あるいは人集りのようにながめた
  人生の白い覆いを毟り取ること
  この 問いの 木目



自由詩 火葬場 Copyright 草野春心 2022-10-10 10:42:55
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
短詩集