銀杏並木
ベンジャミン

手をつなぐように立ち並ぶ
銀杏並木の下を歩く

影踏みをしながら
陽射しを避けて木漏れ日をぬう
揺らめくカーテンの折り目に隠れるように
柔らかい幹に身体をあずければ
背中から伝わる
静かな流れが聞こえてきそうで
目を閉じてみる

上へ上へと
吸い上げられてゆくものたちは
やがてそれぞれの手のひらから放たれ
その循環は繰り返される

小さな営みが寄り添いながら
それがまっすぐにつながっている

目を開け
銀杏並木の下を歩く
忘れてしまいそうな言葉を呟いてみる
抱え込んでいた腕を伸ばし
前へ前へと
進もうとするとき
一枚の葉が
わたしの肩に降りたとうとしていた

まだ萎れるには早い
蒼い手のひらが

   


自由詩 銀杏並木 Copyright ベンジャミン 2005-05-06 14:34:50
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