ホノオ
ひだかたけし

眠たげな空、
わたしは滑り落ちて
ひかりの大洋へ
雨降り
ひたすら泳ぐ
ひかりの大洋へ

大空、裂ける
青空、割れる
遥か臨む、
谺のウチュウ

熱い魂と熱い魂のぶつかり合い
その時は来ないものか、来ないモノか

渋谷の
陸橋を独り
渡って
沈みかけた太陽に
遠く祈った

そんな時もあったよ、
そんな時も在るのだろう、

留まる、この世界に
掘って掘って、この世界を

神秘はこの世界に潜む
この大地を打つ天使たち

すべて手遅れ 噴出する直観に
すべて祝福され 浮き出すVISIONに
高貴な理想を現実に引き下ろす、
響き渡る哀しみを、
透徹とこの世界に刻み込む

熱く燃え上がる貴女と私、
熱く燃え盛る貴様と俺、
澄み渡る残響に崩れ落ちる氷河
大河はただ青く流れ大洋へ注ぐ

人は常に
遠い道筋を辿る
人は不断に
困難を越え誰かを探す

浮き立つリアルはこの世界の深みへ
垂直に出現する瞬間は躍動する実在へ

降り頻る雨は
水溜まりに円を描き
ひろがる広がる光の大洋

突破する、境界線を
外部無きこの無限の世界を
君の涙に濡れ、
堆積し麻痺した記憶を抜け、

沈黙し続ける意識の奥に
平穏な日常を唐突に乱す混沌に

火を、点ける

人を狂わせ、火を点ける
炎を掻き乱し、炎を燃え立たせる

オマエのリアルを曝せ!
白痴の彼女がやって来る!
この透明な虚空に!
この底抜ける天空に!

白馬、雨に濡れ、丘を駆け超え

オマエのリアルを曝せ!
キサマのナマを晒せ!







みんな、この世界に遊んで、剥き出し










自由詩 ホノオ Copyright ひだかたけし 2022-10-07 21:06:58
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