はるか
あらい
髭を剃り髪を結いよい服を着ておしゃべりの花を咲かせる
今年のボジョレーの出来なんて過食なアイデンティティ
目玉ひとつ無くしたと思ってさっき古道具屋で買ってきた金の玉
睾丸ひとつにも満たない グズの根本で輝く真珠姫のドレスは開く
だって結局なにも変わらないもの 普遍的価値を積み上げる
混じり気ないものに収められたビー玉たちは今夜もささやくばかり
私たちの誕生はくだらないほど尊く穢らわしく触らず目を瞑ってかがやく
知らないふりをしてきまぐれと踏み潰した残照、影踏みとしじま
だってどうしようもないことだからどうだって風になる光にある闇に降る
馬鹿だったからね。眼鏡を外して、ボヤケたその感触を滑らせ確かめる
痛々しい舌触りと肥え太った芋虫のロンド、出てきちゃうから春迷て
おしまいよ立派なペニスよフリーズドライのシリアルに繋ぐヴァギナよ
どんな間違えより恥ずかしい未来の需要とは共有の手狭に嵌った
腐った実を隠すようにピアノの鍵盤はすべてを繁らせ悼ませますから。
その美しい金木犀すら香らない、先の続かない花だからこそ永遠を固める
ずっと眺めています。加工された海をおよいで。夢でまた明日未だあいましょう
そのへんの箱庭に緑青をつくりだす 立派なカラクリから逃げ出しますように
少年は少しだけステップで広げて 少女はちょっとだけビスケットを砕いた
救いなんていう祟りをコトノハと散らせるバカどもは、わくらばを繁らせている
なんという願い、なんという祈り、段差一歩、一滴を急ぐ弾丸よ 一輪刺しのなにか
もっと高いところから翔びなさい。やつれていた、面影も記憶も使い切った
ごめんなさい/ありがとう/さようなら。なんてわらえねえな、まったく