みらくる⭐︎天使ちゃん
モマリサ公
焼け焦げた女性器から
こぼれる白とか赤を
胸いっぱいに吸い込み、
私の人を愛する心とか
浅はかな打算とか、
全部見透かされた気がして
とても嬉しかった。
打ち続ける斧の
肉を砕く音。
やっぱ天使ははねだよねー!
マイメロがなにかつぶやきながら
お茶をいれていくのがわかる。
マイマイメロの耳をはみ
泣きじゃくる私の背中を
さすりながら教えてくれた。
「あなたはゴムが破れて
そこから漏れ出て
できたのよ」
わたしはフルボっコの用意を
してコンビニへ
おにぎりはいつものやつと
モンスター
「モンスターなんて身体に毒」
だけどもうなんでもよかった
myマイメロちゃんのお腹を
はさみで開いてそこから
溢れ出すいっぱいの胎児に
顔をうずめて
愛してるよ愛してるよって
叫んだらもう
じゅすいだねってやさしく
言ってくれて
言ってくれたけど
結局ビリヤードにはいかなかった。
じゃんけんはチョキではじまる。
誰かに逢いたくてスニーカーを履いた。
履く。
地上に落ちる寸前の雪が
再び舞い上がる。
愛してるよという
声が聞こえる。
誰か聞いてるなら
許してください。
雨に濡れず雪も踏まず、
自分だけの
愛とそこから派生する
細すぎる受胎に
かまけた私を許してください。
ぴえん。
目が瞬きしなくなると
かなりヤバい。
「ああ、そっか」
右手のチェーンソーを
10センチあげて
また下げた少女が
「ストイック」にやろうとして
ふりだしにもどる。
人の座った後の
座布団のような
優しさの名の元に
振り上げた刃
ぱらぱらと降る私の指
大丈夫だよ。
全部誰かのせいだ。
でもこれがっ
わたしっ
という存在のっ
しかただっ!
どのブレーキパッドも
少しずつすり減る。
ズタズタのマイメロちゃんを
抱きしめて抱きしめて
手のひらですくう水のように
光だけが残る両手
マイメロにレイプされた人の
気持ちが分かる!?
とっても幸せだったんだよ!?
私の両手にいるのが
それなんだよ。
あなたが残骸って言ったものが
私にとっての
私だけにとっての
今という名のフラットな戦場を
横切る。
みんなのマイメロの
マイメロは平等では
なかったということと、
ぐびりとモンスターを
飲み込み歩き出す。
しみだらけの高架下に
響くサキソフォンの音が
突然無音
キミーガーヨーワー
チヨーニー
静寂が血管を通り
毛穴から咲く
どうしてもと
欲しがったのに
ついに生を通しては
見つけられなかった思い出
超ショック永遠が
マイメロで私たちは
死に続けるってこと?
マヒしてきてんじゃねーよ!
爆音でミラーボールがまわりだす。
たしかなひかりにつつまれていく
ぼろぞうきんと化したマイメロが
聞こえない声でありがとうと
直接脳にかたりかけてくる。
マイメロは私だけを許した。