真夏のアイツ
坂本瞳子
ギラギラした太陽みたいなアイツは
なぜか憎めなかった
タバコは吸うし
ツバは吐くし
悪態つく上に
言葉も汚い
薄汚れたシャツに
皺だらけの半ズボン
サンダルにサングラス
かっこよさの欠片も見当たらないけれど
汗の雫が鱗みたいに光るんだ
あの夏は遠い昔だけれども
死んだ魚のような目をしたアイツが
忘れられないんだいつまでも
自由詩
真夏のアイツ
Copyright
坂本瞳子
2022-09-21 20:02:56