なんでもない朝
ひだかたけし
なんだか急に秋が来た
なんだかほんとうの秋が来た
透き通った涼風が
曇り空のもと街を吹き抜ける
久々着た長袖シャツ
朝から重い俺のこころ
午前中具合が良い間は
なるべく外を歩くよう
心がけているものの
今朝は心身ともにかったるい
なんて感じていつものコンビニの
イートインに着席したら
仄かに外が明るんできた
俺は普段、絶望も希望も見捨てているが
なんだか気持ち、軽々と
光を帯びた街を空を
ちょっと希望を込めて
見つめてしまう
光よ、来い
朝の覚醒に
躍り歩く人々に
病んだ肉身の魂に
なんだか急に秋が来た
なんだかほんかくてきな秋が来た
透き通った涼風が
仄かに明るんだ街を吹き抜ける