なんでもない朝
ひだかたけし

なんだか急に秋が来た
なんだかほんとうの秋が来た
透き通った涼風が
曇り空のもと街を吹き抜ける

久々着た長袖シャツ
朝から重い俺のこころ
午前中具合が良い間は
なるべく外を歩くよう
心がけているものの
今朝は心身ともにかったるい

なんて感じていつものコンビニの
イートインに着席したら
仄かに外が明るんできた
俺は普段、絶望も希望も見捨てているが
なんだか気持ち、軽々と
光を帯びた街を空を
ちょっと希望を込めて
見つめてしまう

光よ、来い
朝の覚醒に
躍り歩く人々に
病んだ肉身の魂に

なんだか急に秋が来た
なんだかほんかくてきな秋が来た
透き通った涼風が
仄かに明るんだ街を吹き抜ける



自由詩 なんでもない朝 Copyright ひだかたけし 2022-09-21 10:27:50
notebook Home 戻る