讃歌
ひだかたけし
花から花へ
飛び廻る蝶のように
わたしのたましいは
かろやかに
破壊と暴力を孕みながら
次々と新たな時を
点火していく
*
震える両手に溢れるもの
痛む両眼を支えるもの
とこしえの海辺に
未完成のまま佇む私に
口承のような声の木霊が
水平彼方から降り注ぐ
歓喜に貫かれ歌い出す
ふらつきながらゆれながら
花から花へ飛び廻る
虹色の蝶のように
超常現象?
五感を超えた世界?
そんなの
当たり前にあるんだよ
驚くなかれ、この現実は
(みんな、ただ、まだ
みえないだけ
みる気が、ただないだけ)
内も外もなくなって
円と円は交わって
融合し合いながら
それぞれの色彩を保ち
遠退く意識に百万の記憶が光景が
沸き立つように展開する
ひとりぼっちの夜を超え
苦痛に歪む肉を携え
深く沈んで
みんな、繋がったら
神々が絶えず堪まらず
この世界に
躍動する、湧出する
予感に震え
踊り出す
*
花から花へ
飛び廻る蝶のように
わたしたちのたましいは
かろやかに
破壊と暴力を孕みながら
均衡し
新たな次元を
開いていく