突き抜ける
ひだかたけし

アナタはどこまでいくの?
この日暮れ
没する太陽を追って
論理を振りかざし
他者を屈伏させ

アナタは既に行き止まり

燃えたぎる溶岩流
散りゆく赤い花びら
あらゆる響きを融合し
突き抜ける

私は知らない
在ることの謎を
ただひたすら聴き入り
ただひたすら感じ取り
その美しさ醜さに
驚くばかり

アナタは精緻に論理を張り巡らす
蜘蛛が屋根裏に巣を張り巡らすように
そうして他者を従わせ支配し
いつか乾いていく干からびていく
在ることの謎を驚きを
固まった脳髄に閉じ込めて

在るモノの生々しさを
浮き上がるようなその輪郭を
私は知覚し直観し思考する
ある時、突然にやって来る
目眩くその瞬間、
時間はゆっくり伸び広がり
私は 静かに息し在る、
一つの実在、その光景の一部

燃えたぎる溶岩流
散りゆく赤い花びら
あらゆる世界観を受容し
突き抜ける

固まった脳髄を超え
表層を滑る感覚を後にし
奥まる意識の向こうに

突き抜ける










自由詩 突き抜ける Copyright ひだかたけし 2022-09-12 19:31:58
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