真珠
這 いずる

まだ目覚めてもいない薄紅の真珠
花色の花弁に守られながら眠る
ゆっくりと花はひらいていく
そうして夜の雫を補給して
夜の手前に一服する
ああ、明日はなにもないといい
ああ、明日はなにかあるといい
ああ、明日は明後日もまたきて
ずっと続いていくんだ
寝言を言う不明瞭な意識が
延々とないている

口紅の赤さが目につく口が開き
こぼれ躍り出る真珠
カツンと床にあたって
傷がついた


自由詩 真珠 Copyright 這 いずる 2022-09-09 21:01:47
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