白昼夢
ひだかたけし

なんでもない一日が
なんでもなく過ぎようとして
でもわたしはやっぱりたましいの
不思議な深みにはまってしまい
途方に暮れる

押し寄せる苦痛
沈み込む哀しみ
息をつめて覗き込む

澄んだ泉のなかには
光り輝くナニカが在って
潜って掴み取ろうとすれば逃げてゆく
底抜けの奥底へ
追えば追うほど
するりするりと逃れ遠去かる
底抜け澄んだ奥へ未知へ

そんな白昼夢を
雨打ち歪む脳髄に観た
つかのまの時間の後
わたしのたましいは躍っていた
わたしの思考は躍動していた
わたしはナニカに祝福され震えていた

なんでもない一日が
なんでもなく過ぎようとして
でもわたしはやっぱりたましいの
不思議な深みにはまってしまい
静かに沸き立つ
底知れぬ欲望に包まれる







自由詩 白昼夢 Copyright ひだかたけし 2022-08-29 19:03:34
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