妻咲邦香

私はあそこに住んでいた
だから帰りたいと思うのだろう
いつか
いつの日にか
元の姿に戻って
愛しい人と再び会って
帰って行くのだろう
懐かしい家に
言葉も忘れて
静かに漂いながら
消える運命さえも受け入れて

廃駅のある町で
小さな種を握りしめる
予報では午後から雨



自由詩Copyright 妻咲邦香 2022-08-29 09:05:42
notebook Home 戻る