ゲリラ豪雨
花形新次

ゲリ、ゲリ、ゲリラ
豪雨の降る夜
特別避難警報が鳴り響く中
どさくさ紛れに
逃げ出した精神病院
追って来るのは
氾濫した川の濁流と
いつもの奴らの声だけだ
「ゲリ、ゲリ、ゲリラ
ゲリゲリラ」
俺の腕に埋め込まれた
マイクロチップを
取り出すために
コンビニでカッターナイフを
万引きし
通り掛かったマンションの駐車場で
腕の皮膚を切り裂いた
だけど何にも出やしない
きっと奴らが昨日のうちに
抜き取ってやがったんだ
このゲリラ豪雨を見越して

俺の生体データを返しやがれ
俺のメモリーファイルを元に戻せ

血が豪雨と一緒に流れでる
俺の傷口から止めどなく

ゲリ、ゲリ、ゲリラ豪雨と一緒に

(作詞作曲:花形新次
唄:デリバリーヘルスエンジェルス)





自由詩 ゲリラ豪雨 Copyright 花形新次 2022-08-28 19:42:39
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