あや
あらい
心模様は
ゆったりと落ちて
貼られた桟橋から
ガラクタが投げ出された
でっぷりとしたぬいぐるみの釦を眺める
垂れ下がった鍵は
なみなみと
一つの舟が流されていった
澱んだ暗闇が訪れることはない
それでも艶めかしさを、故人として黄昏れる
一オクターブの凡てが途絶えたあとに残された
路上に、だらしなく生かされている
傾斜に倒れ込んだ横顔はわたしとあなたを置いて
なお地表に太陽と月が混在する
ばらばらになったビーズの
ひとつひとつに名をピンどめする
都会の喧騒を呑み込むように静粛に貶める
一面記事も褪色する。その差額は乱雑な呪文に
溺れたキミとボクが手を伸ばしても追放された。
色を潤ませた燭台を利き腕に持ち、
観覧車も電飾も車のヘッドライトも、
ただロマンチックな眼差しで捻じ曲げられる
ピクリと潤んだだけ
蜩はカナカナと凪いて無慈悲にたどり着いた
まあるいだけのガラス細工の
瞳に伝染る トワイライト