鍋と雪
北村 守通

真鍮の
鍋の肌に
雪がふれ
消える

真鍮の
汚れきった
鍋の肌に
雪がふれ
雪がふれ
消える
雪がふれ
雪がふれ
雪がふれ
消え去る前に
雪がふれ

無数の
よごれを
一つ一つ
覆ってゆく
無数の
白い
傷跡を
一つ一つ
覆ってゆく

いつしか
真鍮が
にじんでゆく
ゆらいでゆく
白の下に
埋もれてゆく


自由詩 鍋と雪 Copyright 北村 守通 2022-08-26 01:08:46
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