盗賊ヨランとの契約(三)
朧月夜
「お前の言っていることはよく分からない。いつもそうだった。
お前は単なる盗賊ではなく、賢者のような知恵を持っている。
どこからその自信が現れてくるのか? この旅における目的と確信とは?」
アイソニアの騎士は、次第にヨランの考えに感化されていくようであった。
「人生とは、常に闇の中を進む光のようなものです。
結果は結果。しかし、それに対して精一杯足掻いて見せる、
ということが必要なのです。騎士殿。わたしどもに協力してくださいますね?
エインスベル様の命の継続は、この世界を救う力をもたらすものなのです」
「ハーレスケイド、とお前は言ったな? そこはいかなる世界なのか?」
「わたしにとっても、ハーレスケイドというのは未だに未知なる領域です。
しかし、そこは通常の幽冥界とは異なる世界だと言われています。人為的な幽冥界だと」
「人為的な幽冥界? この世界ヨースマルテには、様々な世界が存在している。
一つの世界を作り出すことなど、人間にとって可能なのか?」
「ハーレスケイドを作ったのは、果たして本当に人間でしょうか?」ヨランは笑った。
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クールラントの詩