変わらないやつだ
竜門勇気


なんでっていわれても
わかんない しらない
まるで壊れるために生まれたみたい
なんて言われたっていいよ
もう、ずっとずっとどうでもよかった

ゲロ臭い服を着たまま
君の部屋抜け出して
街の中で
電柱のそばでうずくまってるとき
ずっとずっと、もう終わりだって思ってたよ
まだ続いてる
誰もこんなの望んでなかったってのに

言葉の出来損ない
いつまでもでてこない
さっき
便所に全部流しちまったから
どこまでか歩いても
おんなじ夢を見て
おんなじとこで終わる

いつだったか
土手にすわって
なんでもないことだけ集めて
寝言を渡しあったっけ
もうおしまいだと言い合って
何も産まなかった時間を勝手におろした
なにがなんでも
どうしようもなくなんなきゃならなかった
最後の最後までFMラジオの電源を切れなかった

なんでなんだろう
どうしてこんな真夜中に
わかることも知ることもできないことを
思い出してんだろ
これからドアを開けて行ける場所が
どんだけあんだろ
自分でできることを今日もこうやって制御してる

青い空は俺の過去の色
青い海はあの日の空の色
未明の事件
あたまんなかは骨をこえて
水色の光になって
赤黒い影をあたまんなかに残してく

どうしてこんなんなってんだ?
だいたいわかってるし、まあまあわからないこともあるけど
もうどうでもいいし、なんにもわかってなかったって気もしてる
俺が壊れるために生まれてきたのか
そうじゃないのか
そんなの俺が決めればいいだけさ
どこまでも俺が考えて
どこまでもあんたらは笑ってればいい

さんざん疎まれてきた
どん底に蓋された
そんでもいいさ
かわりゃしねーよ

なんでっていわれってもさ
わかりはしない
こっちもそっちも
いまさら見つけるためには
時間がたちすぎてるもんな
しらねーよっていわれってもさ
触れもしない
もうなにも終わらない
なんにもかわりゃしねーよ






自由詩 変わらないやつだ Copyright 竜門勇気 2022-08-14 03:51:46
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