世界のなかで
ひだかたけし
さるすべりの紅、蝉の死骸
車列は延々と、行き交う人々
陽光は降り注ぎ、時は流れる
私という個体は
肉の苦痛を不断に携え
知覚と思考に世界を委ねる
一拍置いて目を瞑り
内底深く広がる海を思う
記憶の渦は遠く泡立ち
現の奥へと踏み入っていく
さるすべりの紅、蝉の死骸
車列は延々と、行き交う人々
世界を慈しむように陽光は降り注ぎ
私という個体を
圧倒的に包み込む
自由詩
世界のなかで
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ひだかたけし
2022-08-12 10:32:58
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