私は草地に立っていた
ひだかたけし
太古から海は在る
太古から太陽は輝く
私は草地に立っていた
気付くと私は存在していた
遥か海を臨み、頭上で太陽は爆発し
訳もなく哀しくて涙が溢れ
太古から海は在る
太古から太陽は輝く
私はその一瞬を切り取り
存在する
未完成の魂が浸透する
本能の肉体を抱え
迷路のようなこの現に
独り置き去りにされ
気付くと私は草地に立っていた
ひたすら途方に暮れて
忘却された故郷の痕跡を辿り
太古の海と太古の太陽を思い出しながら
目には見えない世界の呪いをかけられたように
目には見えない宇宙の木霊を聴くように