アースランテのヨラン(二)
朧月夜
「お前の言葉には、根拠というものが欠けている。
お前はすべてを自分の思惑通りに、そして、感性に従って、
行動しているのではないか?」エイミノアの疑念はさらに増した。
「いいえ、あなた様にも分からないことが、世の中にはあるのです」
「それがアイソニアの騎士の思惑ということか? 信念ということか?」
「はい。アイソニアの騎士には、エインスベル様を救いたいという思いがあります。
わたしどもは、それを利用するのです」ヨランは言う。
「しかし、アイソニアの騎士には、今、イリアス・ナディという婚約者がおります。
ですが、それは本当の恋ではないのです。アイソニアの騎士の想いは、
つねにエインスベル様に向けられております。そこには……」
「いったい、何だと言うのか?」
「アイソニアの騎士は、ひとつの想いに駆られております。
それは、世界とエインスベル様を救いたいという想いです」
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クールラントの詩