幽霊の旅路
ガト

深夜
誰かが窓を叩く

マンション11階
泥棒にしては行儀がいい

盆はまだなのに
誰か帰ってきたのか

そっとブラインドの隙間を覗くと
命を懸けて
光にたどり着いた甲虫だった

紛らわしい灯りをともしてすまない
月ならはるかに遠い所だ

何とかたどり着けるといいな
いつか私もそこに行こうと思ってるから

どうか今夜は見逃して
先に行っててくれ   


自由詩 幽霊の旅路 Copyright ガト 2022-08-03 05:00:25
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