予感
あらい

御とヲさまは弾き出された『酸漿』なのかもしれません
三日三晩思い込まれる、剥脱、「まだ見えません」
半熟卵の木漏れ日に沈みゆく列車を双方から塞ぐ、
乳状の不死鳥は たなびくは朱漆で 丸い影とあり
九分九厘。金の瞳が吹き消そうとする、手探りで おつもりで
何度覗き込んでもこの都が、関係する心臓が、とくとくと
わけなく語りはじめる、そのさきに、迷うものは花と咲かれる
底抜けに、へばりつく、わたしくたち、採光は塞がれてでも
口癖は安定している、副作用に現れるばかりであると
硬文学に彩る特約は、着衣と洋楽を無力感に浸した泡沫にあり
檸檬だけ、でっぷりと 浮かび上がる、泥酔した末の
水中花とは、錯綜した丸腰の禿鷹や、と食い下がり、繁く
「おやめなさって。」
入場券をなくした寝言では、恋人にもなれずに 至れずに窓際に
火葬場にも重力を掲げ、飲み屋街に網を仕掛ける、あれは水蠆やごの末裔
その日の水銀燈がみた あしの開かれた空蝉がぽつりぽつりと
ひきづられた明後日のそれは、積み重ねた今日ではないの
(昨夜の深雪は漏斗には通らないようだ)
たぶん きっと、膨らみ過ぎた風船は破裂する
(咲きかけた油膜の、コンクリートの虹のせい)そのしいな


自由詩 予感 Copyright あらい 2022-07-27 07:43:33
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