夏の香り
ミナト 螢

渋滞を抜けると
森の中
心が戻りたくなる場所

ひとりで
調律した楽器を
鳴らしてみたい

石はそこで眠り
水は時を知らせ
客は足を濡らす

持ち込んだ熱が冷めて
木々の香りが
鼻をくすぐると

振り返る人もなく
夜に枕を渡そうとした


自由詩 夏の香り Copyright ミナト 螢 2022-07-26 19:05:16
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