シャウト
ひだかたけし
孤独なシャウトが
天を突き破り
哀しみとなって降って来る
奥底の故郷を希求する
無防備剥き出しの飛躍
心の壁を打ち壊して
廃墟を抱えて彷徨う私たち
廃棄され得ぬ二元論
主観と客観の分かれ目
想定される物自体
物自体の謎に閉じ込められる廃墟
神秘の丘を昇れ
神秘の律動に踊れ
神秘を抱きシャウトしろ
孤独なシャウトが
天を突き破り
哀しみとなって降って来る
超えられぬ地平
聳え立つ神殿
私たちは進む
繋いだ手と手の温もりを糧に
死の予感に包まれ
異邦の地を
独り独りの旅人となって