予兆の響き
ひだかたけし
遠い声が響き渡る
独りの声が響き渡る
突き刺す大地を
突き刺す故郷を
アナタを求めて
アナタを希求して
響きの渦に呑まれていく
奥底から沸き立つ郷愁
この地球の上で、この宇宙の中で
内面に沈み
静けさに包まれ
孤独な声が木霊する
私を求めて、私を求めて
この死を抱えた荒野に
遠い地平線、遠い水平線
吸い込まれていく、郷愁が沸き立つ
ほぼ機械的に沸き上がる郷愁
たましいの底で、たましいの底で
静けさに身を任せた孤独にて
内なる宇宙に響き渡る透明な哀しみ
アナタに永遠は訪れるだろうか?
アナタに永遠は到来するだろうか?
はっきり聴こえる声は明るみ
激しく悶え、激しく唸り
厳かな光を放って
此処は別の王国のようだ
響きがすべてを語る
私は解き放たれる
私は解き放たれる
恩寵が響きと共にやって来る
響きの奥底に佇み
個体は祝福され
内なる宇宙へ開放される
何か巨きなものが私を包み込んで
予兆が病んだこの肉を震わせる