探し物
水野 花

小さい頃 
朝起きて カーテンの隙間から一直線に差し込む光
そこが
天使が人間界に来るときの 入り口だと信じてた

夏の空が 澄んでる日
雲の上に 天使がいると信じてた
大きな雲を 見つけると 
天使たちが たくさんいて
にぎやかなのだろうと そう思ってた
ハシゴがあればいいのに そんなこと考えてた

今はただ ホコリに反射して見えるのだと知っているけれど
今はただ 水の塊で人が乗れないのだと知っているけれど 
どこかで天使を探してる気がしてる
一度でいいから
天使に合いたい そう今も思う

理由を聞かれても 答えられない
未来を聞くわけもなく 過去を聞くわけでもなく
ただ本当に存在するのか
見るだけで幸せ そんな気持ち感じない?

天使に合えたらこう言うの
『今までずっと探してました』って
そしたらどんな 返事くれるだろうな


自由詩 探し物 Copyright 水野 花 2003-11-26 19:09:55
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