王国
ひだかたけし
赤く燃える残照の地平に
片眼の巨人が座る
表層を掠めていく孤独
深まる陶酔の眼差し
彼は聴き入る
遠い故郷の残響を
わたしは ひとり ここにいる
隠された故郷の残響を聴きながら
限りなく奥まり
深く青い湖を覗き込むように
祝福された時に抱擁され
わたしは ひとり ここにいる
数知れない、孤立に揺らぎ
艶やかなあなたにすがり
またもや、孤立に放擲され
今、こうして孤独に静まり
痛みの沼からしばし解放され
*
片眼の巨人が座る
残照の地平遥か彼方に
失われた王国が 聳え立つ
自由詩
王国
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ひだかたけし
2022-06-29 19:25:20
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