六月のうた
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ゆびとゆびを十字にからませ
空をうけとめる傘の波動
ほのおを消すたび
交差点でくるっと回った

遠くにあるように思わせて
ちょっと手をのばせば届くところに隠す
山鳥の歌声を学び
生来の臆病さをいつわる心を飼ってきた

きみのことだよ真珠母雲
そうわたしに伝えた者は
父ではなかった母ともちがう
あまくてまあるい繭
かなしみははずみで何にでもなれる

歌をふらせたり
歌をやませたり
六月の雨は何にでもなれる



自由詩 六月のうた Copyright soft_machine 2022-06-23 22:31:53
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