ひだかたけし

酷い耳鳴りだ
眼底に激痛が走り
脳髄を直撃する
たましいは何処にも行けず
ただ曇天の光が拡散する

肉に縛り付けられ
肉に縛り付けられ

荒い息を繰り返す
暗く深い井戸の底で
わたしはひとり
憂鬱な肉を抱え
暗く深い井戸の底で
一瞬の光を誘い
桜いろの夢に溺れる

逃れゆく声の木霊に
この苦の肉を曝し
重層する声にひざまずき
一瞬の光を捉える


自由詩Copyright ひだかたけし 2022-06-21 18:34:02
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