プラズマになりたい
そんなこと言われてもこまる
じゃないならみかんのままがいい
夢をみるのは只
言われて思う
猫のやわみを味わうのだ存分に
にごりが晴れる空
くるくる揺れあかすひれを舞わせ
金魚みたいに考える
だったらやっぱりみかんがいい
みんなかわいいわたしの子ども
ほぐさないでひと粒づつに
黙っていたら凍えてしまうから
こんなに甘くなった
はじけるくらい酸っぱくて
お乳くさい赤ちゃんのゆびで運ばれ
風にふくらむあのおむつでもいい
２メートルくらいある
でんき鰻もわるくない
あぁじれったい
いつになったら食べてくれるの
マグマみたいなそのくちびる
わたしだって
大人になりたい
男にもなりたい
もの想いにふけるのはなにも
人間だけの専売特許じゃない
やっと夢がかなった
ゆっくりあなたの中で
いつかみかんにもどるまで