綺羅星剪む
あらい

天使の梯子を知ってるか

酷熱の花束は ゆっくり目を閉じる
正面のシャツからは ぽろりと泡立ち雲へ成る

ペーパーナイフは知っている、魔法のブレスレットは
琥珀の液体を濃くする司会者のよう返却された
廊下色のホットパンツの美しい惑星が
摘ままれた誕生日 天井を駆ける

『収まる今日も空き巣狙いの硝子玉と『獲物として動く』

満腹を過ぎたあたり泥の中にいる
笛の音とカバンの中身は癇癪を起こした廃城、
あまねく猫みたいに
重い扉、
誰かの日記に描かれた深夜の会議室から

義眼を失くした手鳩がストライキを起こしている

噂話の通り抜き取られた
欠陥を伝って
石ころの臭いは

骨に滲みて脂を指す、
懐かしい帯がぱたぱたと、
巡ってひとつひとつが心臓と灯ります

誰かが、
(小さな時計と壊れた少年の秋は)
拾われたのだ。
すぐ側で生っている蕾に癒やしの拍手銃を
準備なしに叩枯れていくのに。
死傷者は、山川を超え、駅のホームで冬眠した

(とらえどころがない叫びを。 
    シャープペンシルで 
      抱合の歌と趨り、)


自由詩 綺羅星剪む Copyright あらい 2022-06-10 23:34:39
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