Rose-Garden
ちぇりこ。

発掘された、在りし日の六月の
古びた雨音が
薔薇の設計図を、紐解いてゆく

忘れては、いなかった
あたたかな泥土を
何度も重ねてゆく、あなたの
華奢な白い指さきで

白く、ぼんやりと
生まれゆく痛み、葉脈を伝い
浸透してゆく伏流水

Garden
溢れる水に、曖昧にされてゆく輪郭
手折られるほどの、慈しみ

Rose
幻影のあなたの
最後の、開花



自由詩 Rose-Garden Copyright ちぇりこ。 2022-06-08 21:55:42
notebook Home 戻る