くろい砂漠のシャボン玉
秋葉竹


シャボン玉とばそ
 
くろい砂漠
ゆっくりと
歩いてきた
  
地平線の向こうには
悲しみのこころ弾けて
馬鹿騒ぎがいつまでもつづく
二十四色の夜景が騒がしいだろうか
それとも
寝静まった夜が
夢を叶えた彼女たちのように
寝息をたて
深い眠りについているのだろうか
   
ななつの星を
探して
星降る音が聴こえて
過去をふらふら
生きて
乾いた寂しさになれて

シャボン玉とばそ

シャボン玉とばそ

言葉を洗う涼しい風が
どこへゆくのかわからないから

あきらめて
追いかけて
追いついて
あきらめて

人はいない
嘘じゃない
誰もいない
人はいない

みんなで肩を組んで
写真のなかで
みんなは楽しげに笑っている

そこには僕もいた
むかしの僕がいた

シャボン玉われた

シャボン玉われた

痛いけど
届けと

痛いけど
届けと


シャボン玉とばそ

シャボン玉
またとばそ














自由詩 くろい砂漠のシャボン玉 Copyright 秋葉竹 2022-06-06 21:24:45
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