春の道場
ひだかたけし

体が冷えると
空も冷たい

この夏日に不安が渦巻く

対象を欠いて、原因を欠いて

緑風を浴び
正気を保つ

鳩はつがいで餌を啄み
草地は青い、青白い

背筋に悪寒が走り
額に脂汗
八方塞がり
ため息一つ

空はやっぱり青く広がり

震える肉身、震える心
沸々と不安は沸き起こり
この春の道場に火をつける











自由詩 春の道場 Copyright ひだかたけし 2022-05-19 13:28:53
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