悴んだ手で
坂本瞳子
身を捩らせる
寒さのあまり
五月だというのに
ブランケットを
引っ張り出して
身を包ませて
やっとのことで
眠りにつく
そんなにも
寒さを感じて
いたのかと
自分でも驚く
開いた目に
まず映るのは
灰色の空
今日も寒空
梅雨が始まる
雨の匂いを
充満させて
春はとおに
どこへやら
自由詩
悴んだ手で
Copyright
坂本瞳子
2022-05-16 22:56:06