わたしの飛行機
やまうちあつし
まだ飛んでいる
すぐにどこかへ
着陸すると思ったが
気まぐれな風にあおられ
思いのほか高く
遠く
街の奥には森があり
森を越えれば海がある
ふらふらと
心もとない放物線
巷で流れるラブソングより
長い時間を
四角い窓の内側で見送っていた
管制官は
いてもたってもいられない
およそ十か月ぶり
外靴に足を突っ込んで
非常階段を駆け下りる
滑走路ならそこかしこに
そんな寝言は
ゆっくり寝てから言うことだ
自由詩
わたしの飛行機
Copyright
やまうちあつし
2022-05-13 20:06:35
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